2つの物語が完成したのはキャンプ初日の14時頃でした。本番の撮影は2日目に7〜8時間でおこなうことから、時間的には、全員で1本の短編映画を制作するのがベストです。
そこで子どもたちが出した答えは、「2つのシナリオを実際にリハーサルしてみて、面白かったほうを正式な作品として採用する」というものでした。本来、初日の午後はビデオカメラの操作やテクニックを学ぶ時間に充てる予定でしたが、子どもたちの提案を受けて、スタッフも急遽、「リハーサルをしながら撮影方法も習得する」というスケジュールに変更して対応しました。
まずは、全員の希望を聞いて2作品の配役を決定しました。今回の映画制作は出演も子どもたち自身なので、各場面によって、出演していない子どもたちが交代で撮影を担当するという役割分担になります。また、シナリオでは「景色を眺める2人の女の子に、通りかかった2人の男の子が悪口を言う」といった状況設定までしか決めていないので、各登場人物の具体的なセリフは、実際に演技をする子どもたちが自分で考えます。その際に、セリフが不自然だったり、表情や動きなど演技に問題があれば、子どもたちが互いに意見を出し合いながら改善していきます。